逆転の紀平さん、再びを祈るが うーん

 SPの曲が始まる前から表情がこわばっている。手も心なしか震えているような、、、。全日本で靴トラブルのためSP始まる前からテンパッていた紀平さんのパターンに似ているではないか。

 嫌な予感は冒頭3Aのパンクとして現実のものとなった。とはいえ、残りのエレメンツ(とりわけ最後の3Lzは秀逸)をまとめ上げ、70点台に載せたのは流石というべきか。

 

 しかしながら、今回は逆転の紀平とするのはまず不可能だろう。FS完璧に演じた場合、NHK杯並のTESを獲った場合PCSは当時より上がっているだろうから、160点も夢ではない。そうしてもやっと230点。

 ライバルは、この点数を叩き出すSPの貯金を持っているだろう。表彰台に登れるか?至難の業だろうなあ。

 

 これが彼女の成長の過程なのか、3Aの呪縛に絡め取られていくのかは来シーズンになってみなければわからない。

 

前者だと信じたい。

 

そもそも、シニアデビューする直前の17~18シーズンでは3Aの失敗を引きずりすべての演技がグダグダになっていた彼女がようやく3Aの出来不出来にとらわれずすべてのエレメンツを統合することができるようになったことが凄まじい成長なのだ。その根っこはまだSPでどうしても3Aをクリーンに決められない完璧主義で繊細な、悪く言えば神経質な16歳の高校生だ。

もう1段の成長は、SPで3Aを難なく決められる図太さ、たとえば昨年取り組んでいたExのように条件の悪いところで3Aに挑み当たり前のように決められる練習をさらに積むとか、、、ああ、書き始めると勝手にコーチングみたいな妄想をしている。いかん。

 

それにしても、SPの演技終わったあと、そしてインタビューのとき普段なら失敗しても表情に出すことがなかった彼女が顔を紅潮させ悔しさを全面に出していたのは良かった。フリーで是非自己ベストを。