坂本さんと紀平さんに期待する3A,4回転(ロシア選手権に寄せて)

ロシアフィギュア選手権はショッキングな結果だった。SP80点で発進したザギトワがFSで失速しまさかの5位。身長140cm台、体重30kg台のお子ちゃまたちが4回転を駆使し表彰台を独占する結果になってしまった(アリョーナ・コストルナヤは例外)。この結果は日本女子にとって新たな壁だと思う。もちろん彼女らがシニアに上がった時、成長期を乗り越えてパフォーマンスを維持出来るはずはないだろうから、今回表彰台に登る面々の名前をいちいち覚えるつもりもない。が、似たような少女が次々と現れてくるのは間違いないだろう。3Lz-3Loが最大の武器であるザギトワでもそのトータルパッケージを完璧にしないとトップを維持できない。メドベもそのことに気づいて、スケーティングの改造、肉体の改造に取り組み、ようやく今回FSでその成果の片鱗を示すことが出来たのかもしれない。

 選手生命が短いとはいえ、20台半ばまでは現役を維持出来なければ(それでもシニアとして10年足らず。オリンピックチャンスはたった二回)、健康なスポーツとはいえまい。

 決められたルールの中で、ロシアの少女たちを凌駕するためには、決定的な武器がないと対抗できない時代に突入した。それも、ロシア国内のシニアにとっても同じ課題が与えられたようなものだ。その点、リーザはうまく復活したと思う。彼女は3Aを携え、彼女なりのスケーティングを確立し、おそらく表彰台の真ん中に立つことはなかなか出来ずとも台の一角を捉えることは出来るだろう。何より、スケートが楽しいと思いながら競技出来ていることが見ているこちらにも伝わってくる。おザキ、メドベにもこういう成熟をしてもらいたいものだ。

 振り返って日本。この脅威に対して(と言ってもこの数年も刃が立たなかったわけだが)どう対処するのか。

 やはり3A あるいは4回転が必須になるのか?

 ロシアっ子と同じような育成をすると、選手寿命は知れたものだろう。

 ある程度、成長期の体型変化をクリアして、なおジャンプにおける身体能力に優れたスケーターは?

紀平さんは多分この後、大きな体型変化もなく怪我さえなければ3Aと4回転を熟成出来るだろう。あと、勝手な推しとして坂本さんを挙げたい。彼女のダイナミックなジャンプは高さ、飛距離ともに余裕があり(例のアイスコープのデーター)今の完成度を壊さないよう4回転にチャレンジしていけば、屈指の4回転ジャンパーになるのでは?と期待する。3Aはやめたほうが良いかも。完成度を上げるのに時間かかりすぎる。シニア上位ではこの2人が限界かな。

と、ロシア選手権の結果を知り勝手に妄想を広げてみた。