紀平さん、GPファイナルで男前のリカバリー

 GPフランス杯のFSで紀平さんは1st 3Aで回転不足。2ndは3Aを回避して2A+3Tのコンボに急遽変更。後半で、3Lz+2Tのプロトコルを3Lz+3Tに変更し、逆転優勝を果たしました。この、臨機応変プロトコル変更は、見事なリカバリー能力として称賛されました。実際には、フランス杯は高得点者が居なかったため、彼女の      TESは72.23 PCSは66.05とNHK杯と比べるとTESで15点低く、PCSも1点低かったのです。フランス杯では優勝できましたが、これでは、強者の集うGPファイナルでは上位は無理でしょう。

 紀平さん、フランス杯で筋肉論を展開してトレンドになりましたが、その筋肉の調子を整える秘訣が時差ボケ解消だったというのは彼女の口からよく出たお話。

 今回、GPファイナルでは調整十分でSPでは世界最高得点で上々の滑り出しを見せた紀平さん。ザキトワさんに対し5点程度のアドバンテージを持ってFSに望みました。が、5点では安全に逃げ切れる差ではないことは明白。ザキトワさんが150点を出せる実力者ですから、145点はgetしなければ優勝はない、と臨んだのでは(と勝手な解釈)。FSで完璧な滑りをしたNHK杯で154点。これは3T 2本完璧に跳び、最初の2本で25点を稼いだ結果です。

 GPファイナルFS. 最初の3T やらかしてしまいました。両手付き、出来栄えのマイナスで1本目たった1.65点。フランス杯みたいに2本目2A+ 3Tでは結果は見えています。この日はもともとが跳べる筋肉だったのか、、、男前のリカバリー策で2本目3A+2Tで来ました。その後3Lz+2T は3Lz+3Tに変更。Total TES 78.21とNHK杯の-10までで収めました。それに加えPCS72.40 と高い点数いただき(瀑盛り、といわれますが、フランス杯のPCSはNHKよりちょっと低いから正当な評価でしょう。さらに言えば、宮里さんのTESは今回ふるいませんでしたが、PCSは従前とあまり変わっていませんから)総合150点超えを果たしたわけです。ファイナルに向け、1st 3Aを失敗しても2nd 3Aを入れたこと(入れられるコンディショニングをしたこと)が最大の勝因だったと思います。欧米のメディアからも鋼鉄のメンタルと称賛されています。

 確固たる基礎、熟練した技術、柔らかい表現力、に加えて鋼鉄のメンタルが揃い、この偉業を成し遂げたのでしょう。スカートを履いた羽生といわれるのも頷けます。自己分析能力が年齢の割に突出していますね。